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Syngenta Italy

Syngenta社:S&OP、コスト計画、販売分析の統合

統合したセルフサービスの取り組みで、時間の節約、コラボレーションの推進、効率性を改善

Syngentaは世界をリードするアグリビジネスのスペシャリストです。Boardの長年の顧客である同社は、いくつかの買収を通じて、25年以上にわたり意思決定プラットフォームを開発してきました。Syngentaは現在、セルフサービスレポート、機能コストレポート、予算編成と予測、およびS&OPにBoardを使用しており、セルフサービスによりIT負荷を削減しつつ、洞察を得る速度を速め、変化し続ける要求に対応する柔軟性を獲得しています。

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  • Industry: Chemicals
  • 部門: Finance, Sales, Supply chain
  • 売り上げ規模(グローバル): $13 billion
  • ローカルの従業員数: 400名
  • R&D拠点数 (グローバル): 17拠点

130億ドルの年間売上高を誇るSyngentaは、Novartis AgribusinessとZeneca Agrochemicalsの合併によって2000年に誕生したスイスの多国籍企業であり、世界をリードするアグリビジネスのスペシャリストです。2億ユーロを超える売上高を上げるSyngenta Italiaでは、オフィス、生産拠点、テストセンター全体でおよそ400名の従業員を擁しています。農薬と種子製品の販売を手掛けるほかにも、同グループは研究を行い、トウモロコシやテンサイの種子を生産、一部を輸出しています。イタリア・ミラノは、EMEA地域に5つある研究開発センターの1つ、東南ヨーロッパ開発センター(South East Europe Development Centre)の執行本部の拠点でもあります。

揺るぎない関係

SyngentaでのBoardの歴史は、2000年の創設を超えます。その時点ですでに、Boardの意思決定プラットフォームはSandoz(後にNovartisが買収)の農薬と植物保護を担当する事業部で販売・支出レポートの作成に内部利用されていました。最初のインストールは、1994年のBoardバージョン2.0にまで遡ります。

計画立案・コスト設定・販売分析: 統合アプローチ

その柔軟性と、進化した分析・計画機能を統合できる能力のおかげで、同社内でのBoardの利用は徐々に拡大され、今ではコストプランニングとセールス&オペレーションズプランニング(S&OP)のために国レベルで選ばれるツールとなっています。

この2つの導入事例のうち、同社にとって極めて重要なプロセスは後者です。このシステムこそが、販売部門やマーケティング部門の販売予測の定期的な見直しを可能にしています。

同社内でのBoardの拡張について重要なステップが見られたのは、Syngentaが世界規模で作物チームと種子販売チームを統合することを決定した2011年のことです。イタリアのSyngenta Crop ProtectionおよびSyngenta SeedsのISビジネスパートナー、Ezio de Nittis氏は次のように述べています。

この組織的な意思決定には、データの均一性と管理の観点から迅速かつ的確な行動と大きなコミットメントが求められ、わずか2か月後には販売のピーク期の開始も迫っていました。

その結果、SAP (Seedsで使用)からデータを取得して、コーン、DCF、野菜の領域に関する統合された統計を提出できるレポート作成システムが必要になりました。その際、通常ツールによって保証される柔軟性と解決にかかる時間を考慮したうえで、Boardを使用して計画立案・予測サポートプロセス全体を管理し、SAPから送信されるデータをフィールドから収集されるデータと統合することになりました。

コスト&プランニング(支出)

これは運用コストの予算編成プロセスで、30人以上のユーザにサービスを提供しています。このプロセスでは、セキュリティ管理の観点と多次元でのデータ入力管理の可能性の観点から、Boardが集中的に使用されています

と説明するのは、Syngenta ItaliaのビジネスプロセスアナリストであるMaridia Banfi氏です。

各部門マネージャが各自のコストセンタの支出を確認する一方で、部門横断コストのマネージャ(支払いと給与については人事、など)はすべてのコストセンタにかかる支出を調べることができます。予算データは、セキュリティレベルに応じて、グリッドタイプの組織に従い、コストセンタのマネージャや部門横断支出のマネージャによって入力されます。実質的にコラボレーティブなこのプロセスにより、年間予算が定義され、各部門間で共有され、四半期ごとのレビューが行われます。

顧客ごとの財務状態スコアカード

開発された多くのアプリケーションの1つは財務チーム専用で、DSO(売掛金回収期間)やDPO(買掛金回転期間)など、共通指標の計算に基づく顧客支払い能力評価スコアカードにBoardを利用しています」と、Maridia氏は続けます。「財務・クレジット担当者が、お客様ごとにスコアを割り当てて財務健全性の判断材料を提供することを目的に、一連の手順に従ってお客様の経済データを収集します。収集されたデータは、販売データシステムや支払システムに送信されます。

セールス&オペレーションプランニング(S&OP)

Boardアプリケーション(内部での呼称はSOP)が、統計分析の目的で販売データを読み込み、処理します。販売ダッシュボードは、オンサイトユーザの場合はBoardのデスクトップクライアントで、外部ユーザ(エージェント)の場合はWebインターフェイスを利用して表示されます。エージェントごとに、担当する顧客、エリア、製品に対するデータ入力権限や表示権限を制限するための固有のセキュリティプロファイルが割り当てられます。

計画立案プロセスは以下のように2段階に分けられ、それぞれ異なる集約レベルでデータが収集されます。

  • 現行年度: 販売担当者の予測が高い詳細レベルで収集されます。収集されたデータは、特定の販売地域で必要とされる製品の数量に関係するので、すべての市場需要に完全に対応できない場合は、製品在庫の観点から、収益性の最適化と関連させて、サプライチェーンを最適化するために使用されます。
  • 次年度(最大27か月目まで): マーケティング担当者はより高い予測レベルに基づいて業務を行います。特に製品と販売地域を考慮し、追加の詳細情報はありません。

毎月の第3営業日にデータの更新が行われます。現時点で、値に対して必要な上方修正や下方修正を行う責任は、製品別や月別など必要なパラメータに従い、各社内機能にあります(作物担当マネージャ、エリア担当マネージャ、マーケティング担当マネージャなど)。その後、変更を受け入れるかどうかを決めるミーティングが、財務、販売、サプライチェーンの担当者と行われます。最後のステップでは、更新内容を取り入れて新しい検証済み計画の草案が作成されます。この計画は、何らかの必要な生産上の更新内容がないかどうか確認するためにサプライチェーン部門に送信されるほか、現在在庫のある製品を確認し、在庫があれば当該製品の直接出荷を手配するためにロジスティクス部門にも送信されます。Maridia氏は次のように説明します。

このプロセス全体は、財務部門の監督下で進められます。なぜなら、サプライチェーンが非常に長期にわたる、概ね技術的な時間が固定された特徴を持つ場合は、会社の全体的な収益性の最適化を目指して、短期間で使用できる材料の配送について、一連の複雑な意思決定を行う必要があることが多いためです。

例えば、昨年導入されたイノベーションには、「予測精度」プロセスを使用した予測の監視が含まれます。対象期間が3か月のこのプロセスでは、販売について前の3か月の予測が分析され、実際の状況との相関が評価されます。

Maridia氏は次のように続けます。

このプロセスでBoardは、生産から販売・配送まで、会社のサイクル全体をサポートしています。これにより、経営陣が必要なデータだけでなく、データやそのデータと事前に行われた意思決定との相関に関する正確な情報に常時アクセスできるようにしています。どのミーティングでも違いは明白です。その場で結論を導き出して共有し、行われた意思決定を今後のアクションと関連付けて文書化できるようになりました。このツールは単なるデータを供給するアプリケーションではなく、コラボレーティブな意思決定プロセスへの有効なサポートを提供するものです。

今後のプロジェクト

Ezio氏は、今後の状況の要点を以下のように述べています。

すでにSeeds事業部に対して予測と計画立案プロジェクトのローカルサポートを進める許可を得ています。その目的は、Crop Protectionの領域で使用されているものと同じソリューションオペレーションプランニング(SOP)アプローチを、今後数か月以内に導入することにあります。

メリット: 効率の向上、コラボレーションの促進、ユーザの自律性

他のツールではなくBoardを選ぶ根拠となったメリットは、『Boardが世界的に高く評価されている』という言葉に要約できます」と、Ezio氏は説明します。「数々の長所のなかでも、当社が重視するのは特に以下のポイントです。

開発のスピードとクライアントの独立性

ツールの柔軟性と、それに伴うサポートモデルによって、必要なものを迅速かつ正確に構築できる能力が得られます。Syngentaは、Boardアプリケーションの開発と管理の運用を、完全に独立して行うことができます。

データのユーザビリティ

データは簡単に表示できるだけでなく、編集も簡単にできます。これは、Boardの絶対的な差別化要因であり、宣伝文句が立派なだけの他のツールの場合とは異なり、このアプリケーションが実際に提供できる機能なのです。

データの明確性と一貫性

Boardでは、販売データとSOPプロセスが含まれる単一データベース上でオペレーションが行われます。そのすべてが複数のキューブではなく、単一の調整によって統合されます。つまり、各プロセスでは同じデータを読み込み、分析が異なるキューブではなく同じデータベースに対して行われるため、組織全体の情報の明確さと正規化が保証されます

と、Maridia氏は述べています。

コラボレーション

ユーザのニーズに共感して理解できます。例えばミーティングでは、実用的な理由から、参加者一人ひとりが各自の視点からデータを確認して、即座に直接的なやりとりを、できれば同じダッシュボード内で実行できることが重要になります。つまり、Boardは同僚間のコラボレーションをサポートしてくれるため、議論が容易になり、データがもっと理解しやすくなるということです。データを即座に操作してやりとりできるこの機能がなければ、その特性は失われ、議論が複雑化するだけでなく、誤解を招く恐れもあります。

使いやすさ

Ezio氏は最後に、Boardプラットフォームを使用する際のシンプルさから得られるメリットについて以下のように説明しています。

ツールの使いやすさを示すもう1つの重要かつ不変的な要素は、支援を受けずに必要な分析やレポートを生成できる上級ユーザに提供される自律性です。この要素は、3つの利点をもたらします。1つ目は「ITワークロードの削減」で、ユーザは必要な結果を得るために技術サポートを受ける必要がなくなります。2つ目は「ユーザが独力でレポートを管理できる自律性」で、例えばミーティングの生産性を上げるために異なるタイプのレポートが必要だと判断した場合、ユーザはそのレポートを直接作成して、他のユーザが使用できるようにすることが可能です。そして3つ目は「即座に実行できることによる時間の節約」です。レポートが必要な場合、ユーザはその場でレポートを生成できます。