概要
コマツ・ヨーロッパは、Board Enterprise Planning Platformを導入することで、分断されたExcelベースの業務フローを一元化・統合されたソリューションへと刷新し、財務計画および連結プロセスを変革しました。データ形式の不統一、分析機能の不足、手作業に依存した時間のかかるプロセスといった課題に直面する中、コマツは各ローカル拠点がBoard上で自らデータを管理できる体制を構築。これにより、地域間でのリアルタイムなコラボレーションが可能になりました。 その結果、予測サイクルは10~15%短縮され、連結のための手作業によるデータ準備は最大80%削減。各レポーティングサイクルあたり2~3日分の作業時間を削減することに成功しました。 Boardの活用により、コマツは予測の迅速化、データ品質の向上、そしてより深いビジネスインサイトの獲得を実現。財務部門全体、さらには組織全体において、イノベーションと主体性、そして継続的改善の文化を育んでいます。
この事例でわかること
本事例では、コマツ・ヨーロッパがBoard企業計画プラットフォームを活用して以下を実現した方法をご紹介します。
- 予測の迅速化と手作業の削減
- ローカル主体によるデータ品質の向上
- リアルタイムなインサイトによる迅速な意思決定
- 地域横断のコラボレーション強化
- 内製化によるコスト削減
- エンゲージメントとイノベーション文化の醸成
コマツは、建設、鉱山、林業、産業用重機の分野における世界有数のメーカーであり、世界中に65,000人以上の従業員と208の連結子会社を有しています。ベルギーに本社を置くコマツ・ヨーロッパは、ヨーロッパ、中東、アフリカ地域からの財務データを集約し、日本のグローバル本社へインサイトおよび予測を提供する重要な役割を担っています。コマツ全体においてデジタル化は重要な戦略テーマですが、財務計画・分析の近代化を主導したのはコマツ・ヨーロッパのリーダー陣であり、その変革の中心にBoardが位置付けられました。
Boardを活用すればするほど、各チームから新しいアイデアが寄せられるようになりました。もはや単なるツールではなく、イノベーションを生み出すプラットフォームとなっています。
Marc Cuypers
Board導入前の課題
Board導入以前、コマツ・ヨーロッパは以下のような重大な課題を抱えていました。
- 分断されたデータ環境:財務データは数百に及ぶExcelファイルや各拠点のローカルシステムに分散しており、連結作業は時間がかかり、エラーが発生しやすい状況でした。
- データ基準の不統一:国ごとのデータ形式の違い(例:小数点とカンマの使用方法)により、追加の調整作業が必要となり、複雑性が増していました。
- 限られた分析機能:従来のツール(主にMS Excelおよび旧バージョンのIBM Cognosによるデータ保管)はドリルダウン機能や柔軟性に欠けており、多層的なデータの詳細分析や比較が困難でした。
- 手作業の負担:連結チームは各拠点からのデータ収集、検証、再加工に多くの時間を費やしていました。各レポーティングサイクルでは、データ受領、フォーマット修正、保管システムへのアップロード、レポート作成までに2~3日を要しており、これが年間3~4サイクル繰り返されていました。
- コラボレーション不足:ローカル拠点のデータプロセスへの関与は限定的で、データに対する主体性や洞察の質が十分とは言えませんでした。
- 柔軟性の欠如:従来の計画ツールでは機能が限定的であり、ビジネスニーズに応じたデータ粒度の調整が困難でした。
Marc Cuypers
With Board, we’ve moved from collecting data to truly understanding it. That shift has transformed how we support the business.
分断された計画から統合型プランニングへ — Boardによる変革
コマツ・ヨーロッパは、報告および連結業務に最適なソリューションを検討する中で、特に以下の点を評価し、Boardを選定しました。
- 予測データを含む粒度の高いドリルダウン機能
- データ分析における優れたダイナミック表示
- 国・地域などさまざまなレベルへ動的にドリルできる柔軟性
その取り組みはローカルレベルから始まり、コマツ・イタリアが最初にFP&A用途でBoardを導入しました。この成功を基盤に、コマツ・ヨーロッパ全体へと拡張され、計画および連結業務を支援するプラットフォームへと発展しました。さらに、販売計画、コントロール・会計、ICT、ファイナンスなど、他の事業部門も独自のアプリケーションを構築しました。
その後、コマツ・イギリスおよびコマツ・フランスも財務報告用途でBoardを導入し、現在はコマツ・ドイツが導入に向けたリソース評価を進めています。
現在、Boardはコマツの多くの領域で活用されており、特に財務部門では、同社の財務エコシステムに完全統合されています。日々の業務から戦略的計画に至るまで、変革をもたらしています。
- 中央集約型プラットフォーム:Boardは、コマツの欧州・中東・アフリカ地域の全拠点における財務データの単一の情報源(Single Source of Truth)として機能しています。このデータ基盤は、CAPEX計画、キャッシュフロー管理、コスト配賦、IFRS連結、受注管理、請求管理、価格設定などの重要プロセスを支えています。また、すべての部署がリアルタイムデータを共有することで、分析サイクルを加速し、財務とオペレーションの連携を強化しています。
- スマートなデータ管理:ローカルチーム(主に財務部門、加えて販売計画、コストコントロール、サービス)は、BoardのSmart Import Objectを活用して5,000行以上の大量データをアップロードし、Data Entryモジュールで手動調整を行っています。これにより、データ処理が大幅に効率化されています。
- コラボレーションモデル:各ローカル部門が自らデータを管理・検証する体制を確立し、精度向上と組織全体のエンゲージメントを実現しています。
- 統合型プランニング:財務・営業・オペレーションにまたがる計画、予測、分析を25の事業部門で統合。資本配分、商業的意思決定、財務報告は、検証済みの一貫したデータに基づいて行われています。
- センター・オブ・エクセレンス:社内チームがBoardアプリケーションを構築・維持できるようトレーニングを実施。外部コンサルタントへの依存を軽減し、自律性を高めています。
さらにコマツは、Boardの豊富な機能により、複数の旧来システムを置き換えることができました。例えば、財務情報はBoard上で直接確認可能となり、第三者ツールを使用せずにプロジェクトファイナンスを簡素化しています。また、Boardは社内だけでなく顧客にも活用されており、請求データを直接Boardへアップロードし、顧客が請求書を閲覧・選択できる仕組みが構築されています。これは、異なる関係者をエコシステムへ容易に接続できる柔軟性を生み出してます。
I love how easy it is to upload and manage large datasets. The Smart Import Object is a game changer for our daily operations.
Daan Van Damme
導入成果:効率性・洞察力・イノベーションの向上
Board導入による影響は、コマツの業務全体において顕著です。
効率性の向上
- 予測プロセスが10〜15%高速化(週6〜7時間の削減)
- 連結サイクルにおける手作業データ収集時間を最大80%削減 (年間3〜4回の報告サイクルごとに2〜3日の工数削減)
- 自動化およびセルフサービス型データ入力により、特に連結チームの負荷を軽減
Board helps me work more efficiently. What used to take hours in Excel now happens in seconds—with better results.
Daan Van Damme
データ品質の向上
- ローカルチームが最新データを使用し、現場で検証
- 標準化されたプロセスにより不整合やエラーを排除
より深い洞察
- ドリルダウン機能と多層分析により、意思決定の質を向上
- CAPEX、キャッシュフロー、価格設定、受注管理など、戦略的意思決定をリアルタイムで可視化
- ローカルのビジネス知見をHQレベルの分析に統合
文化的変革
- データオーナーシップとイノベーションへの前向きな姿勢が浸透
- チームが自発的に新しいアプリケーションや機能を提案
コスト最適化
- 必要に応じて外部パートナーを選択的に活用しつつ、社内開発体制を確立することで、コンサルティング費用を約75%削減
- レガシーツールの廃止
- リソースを戦略的開発やイノベーションへ再配分
Marc Cuypers
We’ve built a strong internal developer community around Board. It’s not just about saving costs—it’s about owning our solutions.
今後の展望:イノベーション文化の醸成
コマツ・ヨーロッパは今後もBoardの活用範囲を拡大し、社内外双方に価値をもたらす新たなアプリケーションを開発していきます。また、定期的なワークショップと部門横断的なコラボレーションを通じて、強い学習文化と団結心を育み、継続的な改善とイノベーションを推進しています。