スターキスト社のサプライチェーン管理は、ますます複雑化していました。
需要計画部門は独自のスプレッドシートを用いて業務を進め、一方で財務計画・分析チームは別のスプレッドシートを活用しながら、100の主要取引先と200種類の製品SKUにおける在庫と受注を追跡していました。この状況に対し、スターキスト社は Board インテリジェント計画プラットフォーム を導入し、生産計画と需要計画を財務と統合。単一のシステムと唯一の情報源を確立することで、計画プロセス全体を効果的に連携させました。その結果、スプレッドシートへの依存を解消し、効率を大幅に向上。さらに、市場の変動に迅速に対応できるようになり、計画サイクルは従来の16時間から1時間未満へと劇的に短縮されました。
スターキスト社は、米国に拠点を置く老舗の食品企業であり、健康的で持続可能、かつ常温保存可能なシーフードおよびチキン製品の提供に注力しています。同社はアメリカ領サモア、エクアドル、セネガルに3つの生産拠点を持ち、さらに米国国内においてはCJロジスティクス社と提携し、5つの主要な流通センターを運営しています。また、業界のイノベーターとしても広く認知されており、単一ポーションのパウチ製品を初めて市場に投入したブランドでもあります。その製品には、Tuna Creations®、Salmon Creations®、Chicken Creations® などが含まれます。
課題:数値・取引先・SKUの管理が計画と分析、成果を阻害
スターキスト社が変革への道を歩み始める前、すべての需要計画と生産計画は手作業のスプレッドシートで入力・管理されていました。在庫数の集計や配分は煩雑でエラーが生じやすく、供給計画と需要計画の間で数値がほぼリアルタイムで共有されることはありませんでした。
その他の課題には、以下が含まれていました。
- 財務予測用のスプレッドシートは完成までに数日を要し、新規SKUや廃止SKU、顧客別配分の対応による入力ミスが頻発していました。
- SKUごとの動向分析、例えば予測を掘り下げて納品差異を把握するといった作業は実現できませんでした。
- 生産計画においてはサプライチェーンがSAP ERPに依存していたため、大量のデータが複雑なスプレッドシートに蓄積し、維持が困難になっていました。
解決策:Board インテリジェント計画
スターキスト社は、サプライチェーン計画を高度化するソリューションとして Board を採用しました。これにより、供給計画と需要計画を財務とシームレスに連携させることが可能となりました。スターキスト社 需要計画・財務分析 シニアマネージャーである Ted Wong 氏 は、Boardを選んだ理由について次のように述べています。「Boardは計り知れないほど柔軟に構成可能であり、ビジネスニーズに合わせて徹底的にカスタマイズできる点が大きな魅力でした。」
本プロジェクトにおいて求められた要件は、次のような取り組みに集約されました。
- スプレッドシートに依存した計画システムを全面的に置き換え、Board クラウド型インテリジェント計画プラットフォームで集計・配分を実行し、手作業によるデータ入力の負担を自動化すること。
- サプライチェーン業務を同一のBoardソリューションに移行し、需要計画と同じデータにアクセスできる「唯一の情報源(Single Point of Truth)」を実現すること。
- 予測精度などのレポートを作成し、すべての財務変数を含んだスコアカードやKPIを構築できること。
- 新規SKUのメリット・デメリットや廃止SKUで何が起きたのかを詳細に分析できること。
スターキスト社は、わずか6か月で初期ソリューションを提供した Board のプロフェッショナルサービスチームを高く評価しました。同社の需要計画・財務分析シニアマネージャーである Ted Wong 氏 は次のように述べています。「彼らは本当に素晴らしい仕事をしてくれました。」
導入効果:俊敏性の向上とコラボレーションの強化
Board を活用した需給計画ソリューションにより、スターキスト社は次の成果を実現しました。
- 混乱への迅速な対応:計画時間を16時間から1時間未満へと短縮し、組織の俊敏性と適応力を大幅に強化。
- 透明性と協働の向上:ExcelスプレッドシートからBoardの共有ソリューションへ移行することで、データフローを効率化し、統合されたデータビューを実現。
- 業務効率とセキュリティの強化:集計や予測プロセスを安全なクラウドベースのプラットフォーム上で自動化。
- サプライチェーン管理のシームレスな統合:需給計画ソリューションを、より広範なサプライチェーン計画プロセスと自然に統合。
- 信頼性の高い意思決定:インテリジェント計画と予測精度レポートを組み合わせることで、プロジェクト変数を基準や目標設定に効果的に活用。
- レポートの主体的な活用:ノーコードで柔軟かつ拡張性の高いBoardの特性により、社内ステークホルダーが自らデータ活用に熟達し、進化する要件に合わせてレポートやダッシュボードを自在にカスタマイズ可能に。
これらの成果を踏まえ、スターキスト社はさらなるBoardの活用を計画しています。次のステップとして、予測分析の導入、追加の財務指標の活用、そして販促評価モジュールの導入を検討しています。