Case Study

事例-コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ

コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ社、BOARDで経営計画立案機能を統合

日用消費財のサプライチェーンに光を当て、生産から配送にいたるまでデジタルによるドライバーベースの計画を実現するには

 

コカ・コーラ社について

コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ社は、コカ・コーラの世界最大の独立系ボトリング企業です。約100年にわたるヨーロッパでの伝統に基づく同社は、日用消費財業界における市場大手であり、1,000億ユーロを超える企業価値を誇っています。幅広い有数の飲料ブランドを、ヨーロッパ13カ国の3億人を超える消費者に提供しています。

 

企業概要
  • 業界:FMCG(日用消費財)
  • 消費者数:3億人
  • ブランド製品の年間販売量:142億リットル
  • ユニットケースの年間販売量:25億ケース
  • 対象国数:13カ国
  • 従業員数:2万5,000人
  • 売上高:111億ユーロ
  • 営業利益:15億ユーロ
  • 営業費用:28億ユーロ
  • 1株当たり利益:2.12ユーロ

 

BOARDプロジェクトの概要
  • 部門:サプライチェーンファイナンス
  • 導入ソリューション:統合経営計画 – サプライチェーンのデジタルによるドライバーベースの計画および予測
  • プロジェクトの範囲:製造(48工場)、倉庫(85拠点)、清涼飲料の業務および物流
  • 対象ユーザ:CFO、SCM責任者、財務責任者、部門責任者および工場責任者

 

出発点:サプライチェーンの「グレイワールド」にどのように光を当てるか

コカ・コーラ社の課題とその解決に最適なBOARDソリューションを把握するため、次の3つのガイドライン:より簡潔な財務、自動化された計画立案、最適化されたレポート作成に従いつつ、同社の「サプライチェーンの財務を変革したい」という要望を出発点としました。コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ社のプランニング&パフォーマンスマネジメント担当シニアマネージャであるIvan Evstatiev氏は、次のように述べています。「これは、複雑な企業財務をシンプルにする(少なくとも大幅に簡素化する)本当の事例です

この変革を実現する要素として、同社は、3つの関連する介入領域を以下のように特定しました。

  • 計画立案手法の進化、「従来」の財務アプローチからドライバベースの計画の導入へ
  • デジタルイノベーション、ExcelおよびAccessから移行し、最新のソリューションを導入して、統合された経営計画の立案と分析を実現
  • 組織の考え方と、異なるチーム間のコミュニケーションを強化

 

つまり、新しいソフトウェアソリューションと計画立案の新しい方法とを結び付け、企業全体の包括的なコミュニケーションをその礎とすることを目標に定めました。

「今回の変革は、当社のサプライチェーン財務部門の活動領域の大半に関係するものであり、これはコカ・コーラの世界全体の半分にも及びます。私たちは、この分野を『グレイワールド』と呼んでいます。セールスやマーケティングなど、より可視性の高い領域と比較すると、サプライチェーンは、テクノロジおよび財務の両面でより複雑であるからです。そのため、当社の変革のビジョンに財務部門が関わることは特に重要でした」とEvstatiev氏は話しています。

 

「動き続ける」変革:ドライバベースの計画

ドライバベースの計画の考え方は、1つの文にまとめることができます。つまり、「業務データとビジネスの推進要因(すなわちビジネス指標であるKBI:Key Business Indicator)を通じて説明される財務計画立案」です。ドライバベースの計画は、従来の計画立案ではカバーできない部分に対応します。つまり、目標、予測、リソースの割り当ての間にあるギャップを埋めます。コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ社は、財務および業務の分析と計画立案の双方を結び付け、効果的にドライバベースの計画アプローチを実現できるソリューションを必要としていました。

 

BOARDがコカ・コーラ社のニーズに最適であることがわかったのは、BOARD独自の機能の1つに、分析、計画立案、シミュレーションを単一の環境でシームレスに統合する機能があるからです。さらにBOARDは、ドライバベースの計画アプローチにおける最も重要な要件の1つを満たしていました。変動要素、つまり私たちがドライバ(推進要因)と呼ぶもののみを取り上げるという要件です。変動要素は、経営層のコントロールという点で具体的です。このように、ドライバベースの計画は『消化可能』であり、最終的に、財務チームと業務のビジネスパートナーを結び付けますとEvstatiev氏は説明します。コカ・コーラ社がドライバベースの計画のために監視・コントロールするKBIは、以下のようにグループ分けされます。

 

先行指標となるKBI
  • 売上量
  • 生産量
  • フルタイム当量(FTE)
  • 生産性

 

遅行指標となるKBI
  • 給与の変動
  • ラインのスピード
  • 収益

 

「生産ラインを想像してください。ボトル詰めか缶詰のラインにしましょう。ご存知かもしれませんが、ラインには、1時間あたりの特定のボトル処理スピードと特定の生産性レベルがあり、これらはそのラインで働く人々の生産性に基づいています。4人のオペレータ、1人の技術者、2人の資産ケアプランナーで構成されるチームで生産ラインを機能させることができる場合、そのライン自体で製造すべき生産量または見込み生産量が基本的に決まります」とEvstatiev氏は説明します。

 

BOARDにより、コカ・コーラ社は、前述した缶詰ラインで働くオペレータ、技術者、ケアプランナーに支払うべき給与、社会保障給付、給与税などを容易にチェックし、分析できるようになりました。また、生産ラインで消費している電力や水の量、そして、メンテナンスや予防的ケアがどの程度必要なのかもすぐに確認できます。レポート作成と分析は、BOARDプラットフォーム自体のシミュレーション機能とシームレスに結びついています。例えば、生産管理者が、特定の生産ラインのチーム形態について仮の業務変更を評価し、最終的に業務スケジュールを変更することを要望しているとします。この管理者は、BOARDのシミュレーション機能を通じ、労務費や水道光熱費など、変更に伴う財務上の影響を確認できるため、どのような変更がチーム形態や業務スケジュールにとって最適なのかを判断できるようになります。   

 

Evstatiev氏は、続けて次のように話しています。「画面をクリックしてバックグラウンドのわずかな計算とアルゴリズムを実行することで、即座に、業務データを完全にコントロールできます。実際、十分に成熟した計画を即座に手に入れることができ、これはまさに、財務部門と業務部門との間をつなぎ、互いにコミュニケーションできるようにするという考え方です。こうすると、業務の担当者、つまり、想定できる範囲でどんな業務に関わる人も、業務データと財務データを直接連携させて、企業の健全性をコントロールできるようになります。例えば、以前は、ある特定の損益ラインを調整するのに、直感を頼りに選択する必要がありました。しかし今では、BOARDにより、業務データに直接関わる意思決定を正当化できるようになりました」

 

製造工場から自動販売機にいたるまで:BOARDプラットフォームにおける日用消費財サプライチェーンの全活動

日用消費財の企業として、コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ社は、確実にサプライチェーン全体を可視化し、さまざまな生産段階やデリバリ段階を常時完全に調和させる必要があります。その実現のためには、正確な計画立案プロセスと頻度の高い予測とともに、活動の終了を監視することも必要です。

 

コカ・コーラ社が実施する清涼飲料業務の一環として、現地販売店で見られるすべての自動販売機の配置、活動、展開、保全など、管理とコントロールが必要です。製造、倉庫、物流、その他を担当する各事業部の責任者は、このプロセスにより生み出される大量のデータから、具体的なビジネスの価値を引き出し、バリューチェーン全体で健全な情報の流れを生成する必要があります。

 

「BOARDでカバーされる範囲は、サプライチェーンが現在扱う多数の活動の大半に及びます。つまり、48の工場、85の倉庫、貿易から支店の現地配送部門にいたるまで、流通に関して想定できる内容すべてを意味します。すべてがBOARDプラットフォームに統合されています。すべての拠点、工場、物流に関するすべての局面ですとEvstatiev氏は話します。

 

プロジェクトの範囲
  • 週次予測および月次予測(月中と月末)
  • 終了する活動の監視
  • 年次経営計画立案 / 予算策定
  • 完全な国の統合と月次レポート作成
  • European Group社/全コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ社のサプライチェーン全体の統合

 

「私たちが着手した変革の領域、つまり、新しい計画立案手法、デジタル化、新しい文化の考え方という観点から、BOARDは、私たちが確信を持ってプロジェクトの目標に到達できるようにしてくれました。その結果、時間の効率化、プロセスの自動化、標準化とデータの一元化を実現し、使いやすさとシステムの保全性を向上させることもできました」とEvstatiev氏は話しています。  

 

財務業務の時間効率:手動10%、デジタル90%

BOARDを利用した財務業務のデジタル変革により、コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ社は大幅に時間を節約し、各担当者たちは付加価値のない手動の作業に時間を費やすのではなく、分析と意思決定に重点を置き、継続的な改善の機会を見出せるようになりました。

 

Evstatiev氏は、次のように説明しています。「財務サプライチェーン業務の入力の10%は、国固有のビジネスの洞察に基づくものであり、90%はあらかじめ追加されている損益の出力から構成されています。これは、バリュードライバ手法と業務データ入力の自動化によるものです。財務担当者には、計画を準備するひたすら退屈な一連のステップに苦しんで欲しくありません。むしろ、この領域をデジタル化したいと考えており、それこそ、私たちがBOARDプラットフォームで成し遂げたことです」    

 

データ転送の時間効率:「現状」を打破し、24時間から15分へ

財務の観点からの時間効率と共に、BOARDは、コカ・コーラ社がデータ転送の観点からも効率を向上できるようにしました。BOARDを導入する以前は、同社は、システムパフォーマンスのため、一晩かけてデータをロードし転送する「文化」にとらわれていました。今日の組織は、大量のデータを扱うため、更新された関連情報を(ほぼ)リアルタイムで取得するのが基本です。これにより、従業員は、最新の有意義な洞察を迅速に獲得し、計画立案のサイクルと意思決定のプロセスを強化できるようになります。

 

Evstatiev氏は、次のように強調します。

 

「今では15分ごとに、当社のERPシステムからクラウドへ、クラウドからBOARDへデータを転送できるようになりました。また、当社のデータ転送が国ごとに特定の時間でどのように進展しているかを効果的に監視できます。損益の観点から完全な財務諸表を準備できます。ですから、以前遵守していた24時間サイクルと比較すると、15分という時間は明らかに大いなる革命、および現状の打破であり、既存の枠にとらわれない思考といえます」。

 

リアルタイムの状況追跡機能:自動化が素早い変化への追従を意味する場合

日用消費財業界においては、その他の業界以上に、サプライチェーン統合体の最上層にいたるまで、わずかな数字の変化が計画立案プロセス全体に対して著しい影響を与える可能性があります。BOARDの自動化機能を使用する前は、Coca-Cola社は、互いに関連付けられた複雑なExcelファイルとAccessデータベースに悪戦苦闘し、常に複数のユーザが情報にアクセスできるわけではありませんでした。さまざまな部署や責任者が定期的にコミュニケーションを図り、すべてが一致していることを確認する必要がありました。CFOからSCMの責任者、管理者、部門責任者、工場責任者にいたるまで全員が、毎月互いに電話をかけ、特定の計画立案プロセスの担当者に、以前の数値で作業を進めているか、または現在の値は信頼できるのかを確認してからそれらの数値を採用し、組織内の次のステップに進んでいました。

 

「残念ながら、たいていの場合、財務諸表や予測の準備、サイクルの終了、およびすべてが完了したとみなされた後で、翌月にその数字が変更されていることに気付きました。誰かがどこかで、ある計画の中の1つの数字を変更した結果、全体に影響が及んでしまったのです。しかし現在では、BOARDの状況追跡コクピットにより、計画立案がどのように進行し、誰が作業中で、誰が準備できているか、また、誰がその計画立案プロセスに関し、支障をきたしているかを常に監視できますとEvstatiev氏は話します。

 

「すべてのボタンの母」:ワンクリックで統合

歴史的に、コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ社は、度重なる吸収合併を経験してきました。すべての企業体は異なる背景を持っており、独自の計画立案方法や独自のビジネス指標、論理、手法を持ち込みました。BOARDの手法により、同社は、すべての国間の完全な統合を自動的に実施し、データの完全性を確保して、財務や業務の成績に対する深い洞察を提供できるようになりました。Coca-Cola社のチームは、BOARD内の「すべて承認」を意味する赤いボタンを利用しています。

 

「私たちは、その小さな赤いボタンを『すべてのボタンの母』と呼んでいます。一瞬にして統合できるからです。1つのボタンで統合がうまくいくのです。48の製造工場、85の倉庫に対する統合がうまくいくのです。当初、私はとても懐疑的でしたが、機能していることは保証できます」とEvstatiev氏は強調しています。

 

BOARDにより、グループは、一貫したロジックを持つ単一の環境内で、分析、計画立案、シミュレーションを実施できるようになりました。また、組織全体で、同じデータセットに関して同じ方法で分析やレポート作成を行います。実際に、BOARDプラットフォームの利点を活用し、コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ社は、標準化とデータの一元化を効果的に実現しました。また、共有のサービスセンタとブルガリアのCenter of Excellenceも強化し、すべてのデータロードとデータ入力を担当させています。このセンタは、標準化された計画立案の全プロセスと、分析およびレポートを、コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ社が事業を行うその他すべての国々に対し、1カ所から一元的にコントロールできます。

 

目に見えないところで:データの透明性

短い開発期間を通じ、BOARDは、分析、レポート作成、計画立案、自動予測生成の統合環境による、自動化と標準化の効果的な組み合わせをコカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ社に提供しました。これはデジタル革命であり、傑出したテクノロジを伴う方法論の原則を結集して実現されました。

 

Evstatiev氏は、次のように説明します。「1つのアプリケーションで革新を起こすことはできません。むしろ、BOARDプラットフォームで開発したすべてのアプリケーションの融合に、BOARDのアーキテクチャと、BIおよびEPMのオールインワンアプローチ、柔軟性、高度なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を合わせた結果です。BOARDは、誰もが追求していた効率性、そして経営層が計画立案プロセス全体において実現を要望していた効率性を提供してくれました」。

 

しかし、この種のプロジェクトは、強固なデータ基準、つまり、最適化、効率性、デジタル化なしには実現できません。また、自動化は氷山の一角に過ぎません。水面下には、意思決定プロセス全体に対するデータの透明性など、考慮すべきその他の利点があります。

 

「BOARDは当社のデータの可用性と完全性を保証すると私が話すとき、私は単に、『出力は入力次第』という従来のアイデアを述べているのではありません。むしろ、データを適切なタイミングかつ良い品質で提供する持続可能なプロセスにより、組織を強化する能力のこと述べているのです」とEvstatiev氏は主張します。

 

社内の全員を関与させ、変化を推進するには:使いやすさとコミュニケーション

適切な変更が組織に導入された場合、すべての懸念事項を積極的に考慮するのが基本です。こうすると、導入に成功し、さまざまな部門や階層の職員が前向きに受け入れる可能性が高くなります。Evstatiev氏は、次のように強調します。「同僚がこのような変革を迅速に導入し、戦略的に手を組むことができるのを理解する必要があります。もちろん、社内の利害関係者は、経営層が実現したいと考えている目標に合わせる必要があります。そうしなければ、『道路のバリケード』はきわめて大きくなる可能性があります」

 

プロジェクト管理を行う間の技術的なサポートと共に、BOARDプラットフォームの使いやすさと柔軟性により、コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ社は、効果的かつスムーズに新しいソリューションを導入できました。エンドユーザの観点から、すべての財務機能に従来組み込まれているExcelやその他のMicrosoft OfficeパッケージとBOARDを統合したため、ユーザへの導入はいっそう容易になりました。また、現在、財務アプリケーションを財務チーム自体で直接保全するようになったため、IT部門に依存していません。  

 

さらに、BOARDに組み込まれたワークフロー機能により、コカ・コーラ社の従業員と上級経営層間の可視性が、国レベルおよびヨーロッパ全体のレベルで強化されました。同社は、1つのプラットフォーム上で、各国のあらゆる製造工場、倉庫、物流プロセス、清涼飲料業務を監視できます。また、まさに同じプラットフォームにおいて、経営層は、すべてのヨーロッパ諸国から提出される、全計画の進捗レポートと予測レポートの状況をコントロールできます。詳細な観点と「全体像」を効果的に組み合わせると、ユーザの導入はより適切に行われ、従業員を直接監視しなくても、経営層のニーズに対応できるようになります。

 

コカ・コーラ社の従業員は、BOARDのスピードやクラウドベースでユーザにとって利用しやすい点など、技術的なパフォーマンスも評価しました。「当社には、各国に多くの本部や現地チームがあり、BOARDは当社にとってメリットがあるということを誰もが認識できています」とEvstatiev氏はコメントしました。今では、すべてのユーザが1つのプラットフォームに統合されています。「BOARDのおかげで、計画立案の範囲に完全に対応できます。一部だけでも、月次報告だけでもありません。もちろん、計画立案サイクルで役割を果たすユーザはすべて、BOARDプラットフォームにすでに関与しています。そのため、私たちは、組織全体でコミュニケーションを活性化できるので、効果的に変化を推進できます」とEvstatiev氏は話を結んでいます。


本事例の内容は、2018年5月14日に開催されたBOARDVIlleの期間にコカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ社によって発表された情報に基づいています。