ENI France

Eni Gas and PowerFranceにおける企業業績管理の変革

プロセスの自動化とスプレッドシートからの脱却により効率性80%向上を実現

データ量が拡大し続けていたEniGas and PowerFranceは、部門の生産性に影響を与えていた手動のExcelベースの財務管理プロセスを置き換える必要性を痛感していました。Eniは、Board意思決定プラットフォームを使用して、企業業績管理活動を変革し、予算編成、計画、および予測プロセスの多くを自動化しました。これにより、コストが削減され、部門の効率が劇的に向上しました。

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  • Industry: Oil & Gas
  • 部門: Finance
  • 売上規模: €1.8 billion
  • 顧客数: 1.3 million
  • 創業: 1968年
プロセスの自動化とスプレッドシートからの脱却により効率性80%向上を実現

イタリア生まれのEniは、世界第5位の規模を誇る石油グループです。石油・ガスの探査や生産、ガス・電気・液化天然ガス・石油関連製品の小売、バイオ燃料などの精製、再生可能エネルギーなど、エネルギー市場のあらゆるセグメントでその存在感を発揮しています。

1968年以来、フランスで次の3つの事業を展開する同社は、2019年には1300万に上る顧客から180億ユーロを売り上げました。

  • Eni Gas and Power France(ガスと電気の供給)
  • Eni France(ガソリンスタンド、潤滑油、アスファルト、燃料)
  • Versalis International(化学)

Eni Gas and Power France (Eni)は、企業顧客や一般世帯に対し手広く天然ガスや電力を供給しています。独自の生産能力を備えながら、幅広いガスサプライヤとも連携して、多様な生産者と長期契約を結ぶことで、フランス市場での安定供給の確保を可能にしています。

Eniの供給電力は多方面(生産者、トレーダー、外国企業)から調達しており、エネルギー源も原子力や再生可能エネルギーなど多彩です。同社が手掛けるグリーン電力は、欧州を原産地とする再生可能エネルギーであることが保証されています。

エネルギー効率に関するソリューションも手掛け、最近では「ベストエネルギーサプライヤ(Best Energy Supplier)」に3年連続で選出されました。

課題: スプレッドシート中心の煩雑な財務管理プロセスによって、分析とレポート作成に時間がかかる

Eniの経営管理部門は、業績に関わる各種業務を自動化して、事業運営の柔軟性と自律性を実現するために新たなソリューションが必要であることに気付きました。

Excelを使って手作業で事業の舵取りを行っており、改革は必須課題でした。いずれかの時点で、工業化する必要があり、最新化は避けて通れませんでした」と、計画・制御・信用管理部門の責任者、Aline Leganne氏は説明します。「当社のデータは100万行に達しようとしていましたが、Excelでは50万行で苦戦している状況でした。そこで、一部業務をAccessに切り替えたのですが、同じくらい時間がかかりました。

結局は、財務部門の大半のスタッフが引き続きExcelを使いながらAccessで補完する形をとり、手動でのデータ更新が必要になりました。それが大きな足かせとなって処理に時間がかかるばかりか、入力ミスが起こりやすいプロセスを生み出していたのです。

手作業に時間をかけすぎるのは、あまりスマートなやり方とは言えません。じっくりと腰を据えて分析を行う時間が取れず、スタッフの生産性やパフォーマンスに響きます

と、Leganne氏は続けます。

プロジェクト: 企業業績管理へのより効果的なアプローチ

Eniでは以前、こうした課題をグループレベルで克服するためのツールを導入しようとしたことがありましたが、そのプロジェクトが失敗に終わったため、より堅牢なソリューションを探し始めました。目指したのは、実績や予測の計算をはじめとする企業業績管理(CPM)機能と、独自の業績評価指標を多数生成できる機能を兼ね備えた、信頼性の高い効率的なソフトウェアプラットフォームを実装することです。

Eniが事業を展開する市場では、大量の技術データや財務データの効率的な処理が求められます。そのため、異なる会計システムをつなぎ、データを複数の形式で読み取れるようにして、多数のトランザクションの処理を(特に決算期には)容易にできるソリューションが必要でした。

それに、選択するソリューションは業務プロセスとその市場の特異性を融合でき、なおかつ、進化するさまざまな規制に速やかに準拠できるだけのオープン性と柔軟性を持つ必要もありました。さらに、新機能を実装できるだけでなく、その作業を容易にできることも必須要件でした。

従来手動で行ってきた業務(データの収集、入力、更新など)が、選択したソリューションによって自動化されることで、業績分析に使える時間が増えると同時に、財務部門が望んでいたIT管理の自律性がかなうことも必要でした。そうすれば、ツールの調整や操作を担当者が行うようになり、「財務のための財務によるツール」が実現する、とLeganne氏は言います。

その目的は、統合ソリューションを利用することにより、業績管理と意思決定支援の観点から確実なスタートを切ることでした。そこで、選択対象となる製品に求められたのは、以下のような財務計画やリアルタイム分析を容易にスピードアップできる機能です。

  • 財務シミュレーション
  • 予算編成
  • 製品/顧客の収益性分析
  • レポート作成
  • バランスシートの作成(と運転資本の計算)
  • 月次損益計算書の作成

Boardを選択する理由

これらの業務を遂行できる高性能なソリューションを探していたEniは、ビジネスインテリジェンス、計画、予測分析が1つのインターフェイスに統合された、Boardの意思決定プラットフォームに関心を持ちました。

いくつかのソリューションの概念実証モデルの評価が行われた入札フェーズの結果、Boardは以下の3つの判定基準で突出した成績を収めました。

  • 演算能力と大量データの高速処理能力
  • 新機能をセットアップする際のアジリティ
  • 規制上の課題への対応能力

メリット: 財務管理の大幅な改善

Boardが配備された今、Eniがその導入効果を享受しているのは明らかだ、とLeganne氏は言います。

ROIという点では、かつて1か月、1週間かかっていたものが、Boardのソリューションを使用している今日ではわずか1日で済んでいます。つまり、BoardのおかげでEni Gas and Power Franceの財務管理チームは、大幅に時間を節約できるようになったのです。生産性の向上は目に見える絶大なものです。この柔軟性の高い堅牢なソフトウェアにより、コストが削減され、意思決定の効率が大幅に向上しました。

プロジェクトの機能面のスコープが正確に定義されてから、選ばれたBoardパートナーが、Eniチームと共にあらゆるオプションのさまざまな長所と短所について話し合い、プラットフォームのセットアップの最適化を果たしました。あらゆるデータがBoardに取り込まれ、プラットフォーム上でプロセスのモデリングが行われます。そのソースデータは主に請求システムやCRMシステムから収集され、頻繁に更新されます。

かつては手動で行っていたプロセスを自動化することで、Eniはエラーのリスクを低減することにも成功しました。財務チームがデータやテーブル、KPIに確実かつ素早くアクセスできるようになった今、Excelファイルはもはや過去のものです。財務プロセス全体をサポートするBoardは、その使いやすさから、Eniチームに受け入れられました。そのためチームは、Boardの利用範囲を徐々に広げています。

この大規模プロジェクトの実施にかかった期間は7か月でした。Leganne氏は、Boardとそのパートナー、そしてツールの採用を問題なく進めた自チームの素晴らしい連携を高く評価しています。

誰もが注意深く、かつ迅速に対応してくれました。おかげで極めて技術的な事項、特にエネルギー税に関する事項に容易に対処できました。3チームの優れた連携と全員参加の体制が、発生し得る技術的な複雑さをすべてカバーするツールの開発を可能にしたのです

と、Leganne氏はコメントしています。

ソリューションを新たな用途(人間工学、コラボレーション、自律性)に適応させることが、プロジェクトの成功にもつながりました。

次のステップ: Boardを他領域でも活用する

同氏はすでに、信用管理に特化したアプリケーションの開発など、Boardを財務管理に利用するプロジェクトを新たに検討中です。

またEniでは、Boardプラットフォームの使いやすさを活かして、同社の他の支店にその範囲を広げ、業績管理の別の軸とプロセスを統合することも視野に入れています。