Case Study

事例 - リコーヨーロッパ

リコー・ヨーロッパ、Boardで顧客460万件分の販売実績管理を改革

リコーについて
Fortune 500企業に名を連ねるリコーグループ(専門分野:マネージドドキュメントサービス、プロダクションプリンティング、オフィスソリューション、ITサービス)の傘下にあるリコーヨーロッパは、EMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)全体で25の子会社を展開し、総勢17,850人の従業員を擁しています。グループの収益のうち、リコーヨーロッパが占める割合は21.3%に上り、その売上高は40億ポンドを超えています。 
 
Boardプロジェクトの概要
顧客数460万件、販売活動500万件、営業案件75万件の販売実績管理
 
  • 顧客に対する360度の視点(顧客に関する完全な単一のビュー)
  • パイプライン管理(主な測定基準:予想営業案件数/収益、新規の見込み顧客など)
  • •販売プロセスの最適化(主な測定基準:獲得収益と目標の比較、販売活動件数と目標の比較など)
  • 営業担当者の活動(各担当者の販売活動に関するレポート)
  • 販売予測(販売予測と実績の比較によるビジネス全体の予測精度の評価)
  • アカウントカバレッジ(KPIに基づく顧客維持戦略の分析とアセスメント)
 
課題:25の異なる事業会社をまとめて分析する
数年にわたって買収した多くの事業体で構成されるリコーでは、これまで分析やレポートの作成方法が事業所、国、地域によって大きく異なっていました。そのため、同社の経営陣は全体の可視性を高めたい、また、販売サイクルに関する見通しをボトムアップからトップダウンのアプローチへと進化させたいという希望がありました。さらにリコーは、時間のかかる、効果のない「データのごみ箱」を、包括的な最新の販売実績管理ソリューションに切り替えようと模索していました。 
 
リコーのBIデリバリマネージャであるマシュー・レイマン(Matthew Layman)氏は、次のように説明します。
 
「当社はEMEA全体で25の事業会社を展開しています。そのため、このプロジェクトで当社が直面した主な課題の1つは、その25の事業会社をまとめて情報源を一元化し、それを実際にビジネスの推進につなげることでした」
 
「当社の経営データが示すとおり、当社は決して小さな会社ではありません。460万の顧客、130万種の製品、200万件の資産、350万の営業先を抱え、販売活動件数はおよそ500万件、営業案件は常時75万件、年間受注件数は200万件、サービス活動件数はおよそ900万件に上ります」
 
こうした大量のデータの一元管理を実現すべく、リコーは次の4つの段階でプロジェクトを進めることにしました。
 
統合する
ヨーロッパ全体のCRM、ERP、そしていくつかのサプライチェーンアプリケーションのデータを収集するとともに、異なる地域ビジネスからもくまなく製品センサーの信号データを収集することで、ヨーロッパのデータウェアハウスに基づくデータの一元性・一貫性(Single Version of Truth)を実現する。 
 
測定する
それぞれのプロセス領域において、関連するKPIを基に標準化された測定基準を設定する。  
 
レイマン氏は、「当社の狙いの1つは、分析に用いる用語の意味を整合させ、一貫した一連の測定基準に基づいて異なる地域や事業体の情報を比較できるようにすることでした」と説明します。
 
示す
標準化されたKPIを基に、直感的かつインタラクティブに測定結果と目標を比較するため、専用指標の作成、制御、管理を行う(例えば、「信号機」アイコンによって業績レベルを一目でわかるようにするなど)。 
 
意思決定者はそれらの指標に従い、個人、部門、ビジネス領域、地域、ヨーロッパ全体の各レベルで予算と目標をソリューションに読み込むことができるようになる必要がある。 
 
洞察をもたらす
大量のデータに対するセルフサービス分析を行う機能をユーザに提供して、取るべき行動を迅速かつ容易に把握できるようにする。 
 
「意思決定プロセスに関わる人々にデータ分析とセルフサービスのレポート作成機能を備えた最新のツールを提供し、先を見越して行動できるようにしたいと考えました」と、レイマン氏は続けます。
 
プロジェクト要件
リコーチームは、4段階のプロジェクトを補完するための新しいソリューションについて、次のような主な要件を設定しました。 
 
  • ビジネス全体のデータの一元性・一貫性を実現し、異なるデータベースやスプレッドシートを使用する従来の文化から抜け出す
  • ユーザがデータのスライシングやダイシングを自由に行い、最下位の詳細レベルに向かって好きな位置までドリルダウンして、セルフサービス環境内でデータを操作できるようにする
  • 複数の言語と通貨をサポートして、25すべての事業体で使用できるようにする
  • 厳しいセキュリティとアクセス管理制御で機密データを確実に保護する
  • 柔軟なプラットフォームで迅速な開発を可能にし、ビジネスニーズの変化に合わせて随時変更できるようにする
 
ソリューション: Board
リコーは、分析、シミュレーション、計画、予測の各機能が統合されたBoardの意思決定プラットフォームを利用してプロジェクトを実行し、EMEA地域全体で単一の販売実績管理ソリューションを構築しました。
 
その結果開発された、ヨーロッパおよび事業会社全体のレポートを作成できる管理情報システムは、相互に関連付けられた次の6つのアプリケーションから成ります。
 
顧客に対する360度の視点
リコーグループのさまざまな情報源と効果的に組み合わされたBoardが、顧客に関する完全で正確な、常に最新のビューをリコーに提供します。これにより、営業担当者が顧客訪問をより有効に設定するために利用できる、有益なレポートが得られます。各レポートには、ERP、CRM、契約請求処理などのシステムから収集されたすべてのデータが集約されるため、営業担当者は特定の顧客の情報、あるいは日々の販売プロセスや顧客関係管理に役立つ情報を容易に見つけ出すことができます。
 
パイプライン管理
Boardを利用することで、リコーの営業担当者は現在のパイプラインに対する完全な可視性を得るだけでなく、グループが有するヨーロッパの事業会社全体で標準化された一連の測定基準に沿ってパイプラインのコントロールや評価を行うことも可能になります。このようにBoardは、非常に有益かつビジネス上不可欠なデータを営業担当者の手元に届け、パイプラインにおける最も重要な案件を提示します。 
 
「Boardの最新の分析機能によって、ユーザはチャネルや営業科目単位でパイプライン全体を分析することも、各段階や契約完了予定日をすべて確認することもできます。例えば、予定日を過ぎた契約や、獲得した契約、そしてそれが当月の予測とどの程度一致するかを確認することが可能です」(レイマン氏)
 
販売プロセスの最適化
Boardは、レイマン氏が「リコーの販売方法論を反映している」と力説するセールスインテリジェンスツールとしての役割も果たします。CRMソフトウェアから得られる販売指標は、目標およびパフォーマンス指標と比較し、目標に対する進捗状況を測定します。 
 
「例えば、Boardのプラットフォーム上では、営業担当者が割り当てられた数の営業案件を生み出したかどうかを評価して目標を達成できる可能性を早期に把握することで、上司が対策を講じられるようにするために、いくつかの視覚的指標を容易に作成できました。Boardは、営業担当者がどの顧客を訪問して関係を醸成すべきか、また、割り当てられた目標値を達成するにはさらにどのような活動を行うべきかを判断するのに役立ちます」
 
営業担当者の活動
毎週の進捗確認会議で営業担当者や営業部長をサポートするために、Boardは顧客への販売活動に関する情報を、ユーザフレンドリーな利用しやすい形式にまとめ、営業担当者がどの顧客を訪問すべきか、また、さらに何らかの活動を行うべきかについて適切に判断できるようにします。
 
「その情報は、月曜の朝に手元に届く電子メールという形で各営業担当者に提供されます。そのメールで、過去1か月間の実績、獲得した契約、進行中の案件、過去1年間の獲得収益、各自の目標との比較、その月に生み出した営業案件の数がわかります。それらはすべて、上司が営業担当者を評価するための重要なKPIであり、ヨーロッパのすべての営業担当者間で統一された方法で視覚的に確認できます」
 
販売予測
 
「これは、当社がBoardのプラットフォーム上に構築したアプリケーションの中でもとりわけ興味深いものの1つです。このアプリケーションによって、継続的改善の観点から活動を促進できます」(レイマン氏) 
 
アカウントカバレッジ
リコーは、Boardの最新BI機能を利用して顧客維持戦略を推進しています。Boardによる特定のKPIの分析に基づき、営業担当者は、十分に注意が払われていない顧客を特定できます。
 
「当社が『Forecast Accuracy(予測精度)』と呼ぶこのBoardソリューションによって、さまざまなKPIを組み合わせ、過去6か月の訪問や電話で寄せられたフィードバックに対する分析を基に、訪問すべき顧客を見極めることができます。ほかにも、今後12か月以内に契約が終了する顧客を事前に確認することも可能です」
 
まとめ
全体として、Boardを導入したことにより、リコーはそれぞれの事業会社に対して望んでいた完全な透明性を得ることができました。実績データを簡単に分析・検討できるため、販売サイクルの段階ごとに、アプローチを継続的に調整・改善することが容易になると同時に、ビジネス全体で一貫したアプローチが実現しました。